<   2012年 05月 ( 4 )   > この月の画像一覧

『地域』を再定義してみるということ(後篇)

さて、『地域』について再定義してみるということ、後篇です。


全回の話で、近代的都市計画手法(堅い言い回しですが、要はこれまでの従来型まちづくりです。)では、もはやハード・ソフト両面で限界が来ているというところからです。

繰り返しになりますが、これは全国で起こっている中心市街地とスプロール現象の関係、再開発計画の失敗、郊外のゴーストタウン化、買い物弱者問題等、事例を上げれば枚挙に暇がありません。


そこで、どうすればよいのか。


【前提条件(私見)】
この先概ね10年後には65歳以上の人口比率が25%を超えるという、高齢化社会がいよいよ実現します。

となると、システムの中心を社会的弱者の高齢者に比重を置かざるを得ないでしょう。
高齢者にとって住みやすいまち、しくみがそれ以外の世代の人間にとって住みにくいということはないと考えるからです。


ですので、

①これまでの区、市の範囲内に、半径500m~1000m程度の『地域』範囲を設ける。
概ね高齢者の徒歩を前提とした、活動範囲の限界をもとに設定しています。

②この範囲内で、自治(町会レベルで良い)、福祉、商業、子育て、教育、アメニティ、防災等をテーマにしてサービスを設ける。
※ここで重要なのは、ハード施設は極力既存の立地・物を前提とするということ。

③②であげたサービスを設けるということは、必ずしも『地域』範囲で完結させる必要はない。
地域内で完結できていないという現実を認識することが重要。
⇒つまり、足りないサービスは隣接する『地域』もしくは市や区全体で補填する考え方。


これら各『地域』がサテライトとして連鎖して、演繹的に全体として市や区というこれまでの行政範囲を形成するイメージです。

ただ、このイメージを実現するには既存の行政のみでは確実に手が足りませんので、NPOや任意団体が担い手となるでしょう


まだまだ荒削りなイメージですが、世界でも先駆け的な日本の高齢化社会をイメージするに当っては、このくらいドラスティックな計画見直しをしない限り、新たなしくみを作ることはなかなか難しいでしょう。

繰り返し強調しますが、新たにハード整備をするのではなく、中心はソフト、仕組みのデザインということです。 

これまでの様なハードとしての中心市街地はなくなります。(こちらも繰り返しになりますが、すでに既存の中心市街地はまちの中心ではないという前提です。)

私は地域活性化やまちづくりに関わる際は、この視点をもって望みたいですね。
それではまた!
[PR]

by cobolabo | 2012-05-31 11:06 | つれづれ

久松農園見学


みなさんこんにちは。

先日、練馬の知り合いのフードライターの大久保朱夏さんのご紹介で、茨城県つくばの久松農園さんのところに見学に行ってきました。
http://blog.hisamatsufarm.com/


e0241511_10234340.jpg

こちらは収穫直後の玉ねぎを干しているつくばの風景。

今回訪問させていただいた経緯は、練馬の地域活動『みんなのいちば』の移動販売における商品のバリエーションを増やすべく魅力的な商品を探していたところ、大久保さんから久松さんを紹介いただきました。

農場では次々に野菜の見学&採れたての試食です♪

e0241511_10262633.jpg



e0241511_10264588.jpg



e0241511_1027159.jpg



e0241511_10302266.jpg


野菜が笑っていますね♪


久松さんは、脱サラ後につくばで農業をはじめられたそうで、徹底して農薬・化学肥料を使わない野菜を作っておられます。

採れたての野菜を味わいながら栽培の説明を聞いていると、本当に知識が豊富で、目からウロコです。
野菜は品種によって味が違うのは当然ですが、収穫する時期、食べる部位によって本当に味、水分、食感が違います。

e0241511_10343979.jpg


大久保さんや農場のみなさんも含めて夜はもつ焼き&もつ鍋で終始なごやかな&熱いトークタイム♪
(私の生き様やNPO活動アイデアにもいろいろと鋭い突っ込みをいただき久しぶりに楽しかったです!)

帰りにはたっぷりとお土産をいただきました♪
e0241511_1036356.jpg

ニンジンジュース
e0241511_10361324.jpg

野菜カレー
e0241511_1036287.jpg

こちらのカブは本当に味がスゴイ。
スゴイというのはこれまでのカブの味の概念を覆すのです。

食感は地元会津の桃(固い品種)にそっくりで、味は本当に甘いです。
もはやフルーツですね。ブルーベリーソースを付けて食べたら美味しかったです。笑

またみなさんとお会いしてゆっくりとお話ししたいです。
とても楽しい見学でした~♪
[PR]

by cobolabo | 2012-05-26 10:43 | まちづくり(みんなのいちば)

profile

□ 事務所名 
CoboLabo
代表:小山田 剛/社会建築家・Social Architect
  
□ 所在地
〒177-0035
東京都練馬区南田中3-24-3アザレアヒルズA201(東京事務所)
     (西武池袋線 練馬高野台駅より徒歩5分)

〒965-0045
福島県会津若松市西七日町16-23(会津事務所)
     (会津若松駅より徒歩15分)

□ 連絡先
tel・fax:03-3996-9011
mob:090-8508-5606
mail:info@cobolabo.com
http://www.cobolabo.com/


□ 小山田 剛 プロフィール 

1978年   福島県会津若松市生まれ
(株)アトリエ・天工人、独立行政法人UR都市機構関連会社、 (有)向山建築設計事務所等を経て
2011年  CoboLabo設立(代表)
2012年  みんなのいちば設立(代表理事/Chief director)
http://www.minnano-ichiba.com/(みんなのいちばHP)

□ 受賞等   
2005年:会津若松市ゴミ減量有料ロゴマーク 審査員特別賞
2012年:東京都練馬区平成24年度買い物支援モデル事業採択
(NPO法人みんなのいちば/コミュニティデザイン・コミュニティビジネス)
2012年:NPO法人ETIC.社会起業塾イニシアティブ事業採択/NPO法人みんなのいちば
(旧NEC社会起業塾)


□ 資格/活動等  
・1級建築士 国土交通大臣登録 第338085号
・内閣府地域社会雇用創造事業地域密着型インターンシップ第八期修了生
(@特定非営利活動法人 素材広場 福島県会津若松市)
・特定非営利活動法人ETIC. 地域イノベーター養成アカデミー修了生@千葉県銚子市
・まちなか賑わいづくり委員会 委員@福島県会津若松市


□What's CoboLabo?(CoboLaboとは?)
CoboLabo(コボラボ)とは、工房のコボと、ラボラトリー(研究室)のラボ、
そしてコラボレーションのコボを由来とした造語です。

工房作業のようなミクロなものづくりからまちづくり・都市計画といったマクロなもの、
そして、コラボレーションによるコミュニティ、つながりといった目に見えない関係性
までをデザインします。

また、工房とは英語でworkshop(ワークショップ)を意味します。
日本で言われるワークショップとは、『学びや創造、問題解決やトレーニングの手法』
と解されています。

つまり、CoboLaboは、前段のような多種多様のデザインに対して、ワークショップ
のような手法を視野に入れた、様々な関係者とのコラボレーションを通じた多角的な
ものづくり、関係づくりを目指します。


□Why do so? (なぜそうするのか?)

Why-1
社会の構造が急速に変化する状況に対して、既存の社会システムや制度では対応しにくくなっているため、デザインを通してその手助けをします。

Why-2
システムや制度は個人・地域目線で考えられていることが少ないため、視点をずらしたり、少し何かを加えるなど、第三者的立場から、ちょっとした変化により状況が好転し促進する手助けをします。

Whjy-3
山積する社会的課題を解決するため、イノベーティブ(創造的)かつステークホルダーの皆様がhappyになることのできる手法(co-profit model)をご提案します。


私の持論として、建築やロゴをはじめとした各種デザインは、ある目的に対してのツール(手段)でしかないと考えています。

それは、何か悲観的でドライな、デザインに対する諦めや考え方ではなく、むしろ、そのツールとなるデザインに明確な目的を設定し、それに対峙させることで、非常に効果的に力を発揮するようになるだろうと考えているからです。

目的が明確化されれば、デザイナーのエゴや審美性のみに重点を置いた独りよがりなものは生まれにくくなります。そして、その時の目的とは、人と人、人とモノとの関係性改善、はたまた、未だ見ぬ大きな都市・社会的課題の解決なのかもしれません。

いよいよ人口減少時代に突入した日本。人口構造はもはや逆ピラミッドを形成し、想像もつかない少子高齢化社会が現実のものとなり、同時に既存の老朽化した社会・都市インフラシステムは効力を失い、新たな機能やシステムの構築が求められるのは必須な状況です。

そのような時、我々建築やデザインに携わる人間がどう社会と関われるか、社会のために何をすべきか、そして、なぜそうするのか。

CoboLaboはそのようなことについて日々考えながら活動をしています。
[PR]

by cobolabo | 2012-05-16 09:58 | profile

みんなのいちば 買い物支援事業 第三回代表者会議

みなさんこんにちは。

先週の金曜から、練馬区で展開する活動の関連で怒涛の3日連続の協議が続きました。
金曜日は練馬区のモデル事業となる買い物支援サービスの代表者会議、土曜日は私が代表を務めるNPOの理事会、そして日曜日は今回の対象となる3商店街のうちのひとつの商店街の理事長さんと理事さんとの個別の打ち合わせでした。


結論から申し上げますと、今回モデル事業とされた買い物支援サービスについては、なかなかスムースに進んでおりません。原因は私もよくわかっていないのですが、おぼろげに思うところはいくつかあります。それは、


①地域課題の抽出方法
②物事の合意形成に係るプロセス共有の欠如


ではないかな?と、何となく思い始めています。


①の地域課題の抽出方法について
今回、商店街活性化に資するモデル事業の一部とされていることは、『商店街で買い物をした消費者が重い物を持ち運ぶことに困難が生じるため、それを自宅まで運んでくれるサービス』です。

これは、昨年度に練馬区が区民アンケートを通じて得た地域課題であり、区の検討委員会を経てこの課題を解決するサービスがふさわしいものとしてこれまでに決定されました。

私がこれまで他の地域で活動するなかで様々な方からいただいたアドバイスで印象に残っていることがあります。
それは、『地域で一見課題と考えられることはあくまで現象である。その現象が起こる背景にある原因こそが本質的な課題である。』ということです。


昨年度実施されたアンケート調査のプロセスと結果が間違っているとは思いませんが、それが本質的な地域課題と解決策なのであるかどうかは検証する必要があるかもしれません。また、その検証の仕方は、アンケートで行うものではなく、地域を歩いて地域の方とのコミュニケーションを通じてしか得られないでしょう。



②物事の合意形成に係るプロセス共有の欠如について

こちらは、『地域の課題をいかにして地域住民が自分ごととして考えられるか?』という点で本当に重要な視点と思います。

これまでの国や行政の政策とその決定プロセスについては説明するまでもなく、トップダウン型の事業推進がその多くを占めてきました。

先の震災以降特に、社会システムや国の行く末に対する国民の危惧は確実に高まっています。そういった状況下、旧態依然のトップダウン手法では地域の本質的な課題の解決は不可能ですし、そんなに容易に解決できるほどやさしい状況でもありません。そもそも、その事業に地域住民は他人事として関わってしまいます。


ですので、もっと地域の方を巻き込みながら、丁寧に意見を抽出し、行政、商店街、地域住民が地域について『気づき』を得る機会を造る必要があるのだと思います。それによって初めて、地域の方々が課題を自分ごととして考え、真剣になって解決策を考えるのではないでしょうか。


これについては、最近ではコミュニティデザイナーの山崎亮さんが、各地でワークショップ手法を用いて地域課題の解決の糸口を見出していますが、これからの社会はこれら手法を通じて、地域総動員で課題の解決に当る必要があるのだと思います。


そして同時に、行政、政治家、商店街、地域住民も、新しい社会・地域づくりに向けた協働(アライアンス)の造り方を、皆で模索しながら進めていくしか方法はないのだと思いますし、それによって初めて本来の『公共』というものが形成されるのだと思います。

今後も引き続き粘り強く協議をしていきたいと思います。
地域にはそれに資する熱い行政の方、商店街の方、住民、担い手がいるのですから。
[PR]

by cobolabo | 2012-05-14 18:34 | まちづくり(みんなのいちば)