鳥の目線と虫の目線で物事を観ること

今朝がた、こんな記事が報道されているのを目にしました。


「東京郊外に“ゴーストタウン” 高齢化率4割程度の自治体がずらり」(SankeiBizより転用)
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/121105/ecc1211051112000-n1.htm


国土交通省の首都圏白書をもとに、首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県)の2005年から2035年までの高齢化の伸びを予測するとともに、東京都23区を取り巻く郊外の過疎化・ゴーストタウン化を危惧する記事です。


しかし何だろう、私がこの記事の内容から覚えた驚きは、関西圏、名古屋圏の高齢化率が50%前後であることに対して、首都圏のそれは77%というもの、ただその1点だけです。
それ以外の、今後首都圏で急速に高齢化が進むという話は今更の感がないでもないです。また、それに伴う郊外のゴーストタウン化は、もはや自明のことですよね。


さて、この記事をとりたてて批評するつもりはさらさらありませんが、もう少し具体に状況をみていくことが大事であるように思います。その際に必要な視点が、タイトルにも書いた、『鳥の目線と虫の目線で物事を観ること』ではないでしょうか。


ではまず「鳥の目線で物事を観ること」について。


最近読んだ本の著者が、社会問題を考える視点について、『個人の問題×社会環境』が大事であると唱えていました。
(僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想 (幻冬舎新書) [新書](荻上チキ著))


この場合、個人の問題として記事から読み取ることが出来るものは、働き手の所得が伸び悩む夫婦共働きが当たり前の時代に、通勤に便利な都心のマンションに住居を求める傾向があるということ。そして、その結果として、郊外のゴーストタウン化が危惧されるということです。


しかし、通勤や生活の利便性の低下だけで郊外のゴーストタウン化を嘆くのは危険な議論ではないでしょうか。視野を広げて日本と言う単位でこの問題を考えてみると、現在、私の周囲には、地方や地域でゆっくりとした生活を送りたいと、社会人経験数年で地方に豊かな生活を求めて移住する若者が増えていると感じますし、絶対数はまだそれほどでもないですが、一定程度いるという傾向は確かです。


この点も併せて、双方向の議論をすることが、問題に対してより建設的ではないでしょうか。


次に、「虫の目線で物事を観ること」について。


記事からは、首都圏の今後の高齢化率の急速な伸びは比率として読み取れます。
しかしここで大事なことは、今更ではありますが、はたして実数値でどれほどいるのかということです。概して首都圏は他の地域と比べて対象とする総人口に対する高齢化率は低いです。であれば高齢化率が相対的に高まることは自明なことではないでしょうか。


人口母数の多い首都圏の場合、急速な高齢化に伴い、どれほどの数が増えるのかという議論が大事でしょうし、それを先ほど社会問題を考える際に示した、個人に焦点を当てた数値としての伸びに着眼するのに併せて、それらを取り巻く社会環境も含めて考えることがより重要ではないでしょうか。


首都圏とひと括りで言っても、東京都と神奈川では毛色が違うし、東京でも23区と市町村部とではまったく社会環境の様相が違います。(区内でも丁目単位で様相が違うことはいうまでもない)


つまり、高齢化という状況を観察する場合、その群をひと括りにせずに、具体に、よりきめ細かな地域単位で、実数に基づいて観ていく視点が大事であり、更には、対象者を取り巻く社会環境を丁寧に観る、それが虫の目で観るということなのではないでしょうか。



私も日々の活動を通して、この点には注意して物事を考えていきたいと思います。









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by cobolabo | 2012-12-24 10:53 | まちづくり(みんなのいちば)