備忘録

ノンフィクション作家 佐野眞一氏(64歳)
「この福島原発の事故見えたのは、日本の中の内部と外部、中央と地方とも言っていいでしょう。つまり福島原発があるおかげで(都心に住む)我々は電力をたくさんもらって、豊かにというか、福島原発という見えない外部のおかげというか、我々は見ようとしない、その構造は例えば日本の安全を考えた場合、これは沖縄の米軍基地があるから(構造は同じ)ということですよね」

これまでは原発の恩恵のみ注視し、負の部分には目をつむってきた。その構造が沖縄の基地問題と重なると話す。

「我々の日本の今の発展の仕方のある歪さ、国内における一種の(原発という)植民地があったから、我々はこういう生活ができているじゃないかということを皆で見ようよと、それを討論しようよと。(すぐに原発を)再開するというのは、僕は将来に禍根を残すと思いますね」

佐野氏は今回も被災地へと向かい、特に原発周辺を取材した。

「原発の前の日本のエネルギー産業って何か。これは石炭だったわけですね。あの過酷な労働からは破れかぶれな精神があったと思うけど、そこから何が生まれたか。炭坑節が生まれたじゃないですか。福島原発だけじゃなくて日本全国の原発から唄を聞いたことがあるでしょうか。物語を聞いたことがあるでしょうか。僕はものを書く人間ですよね。ところがね、原発労働者と僕は何人も会うけど、彼らの言葉は言葉化ができないですね。自分が何シーベルト浴びたかということぐらいしか言えない。つまりこれは本当に極限状態の疎外された労働なんだと思うんですよね。それを見て見ぬフリをする世の中というのは、決して健康だとも健全だとも僕は言えないと思いますね」

今後について

「原発というのは一番安全なのは、動いてる限り安全なんだそうですよ。つまり止める時が一番怖いんです。すごくリスキーな設計思想だと思うんですよね。そういう設計思想の中から、我々の日常、24時間コンビニが開いている、ゴミは際限なく出していくという社会が誕生したとするなら、いったんここでちょっとストップして、もう一回見直してみようよと。成長神話が絶えず自分たちを追いかけ回してきたんですよね。本当なんだろうかと、成長しなくちゃいけないんだろうかと。ちょっと立ち止まってね、後退してはいけないんだろうけども、今の生活がある程度維持ができるようなやり方というものは編み出す、それが僕はなんか人類の知恵だと思うんですよね」

(以上)
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by cobolabo | 2011-09-19 11:53 | つれづれ